高麗人参と癌

日本人の死亡原因のトップに癌があります。
3人に一人が癌でなくなっています。
しかし、癌は今では死を意味する病気ではなくなり、早期発見と医学の進歩によって、治る病気となってきました。
とはいえ、癌で亡くなる方が増えていることも事実です。
これは癌になる確率である罹患率が上がっていることが指摘されており、2人に1人が癌になる可能性があるともいわれています。

癌の罹患率が増えている原因のひとつに長寿命化が考えられます。
人間の細胞はDNAに従って複製されるのですが、老化に伴ってこの複製の際に誤りが起こりやすくなって、これが癌細胞の種となるのです。
加齢とともに免疫力が低下することも罹患率の増加を促していると言えます。
一方で食の欧米化も一因です。
肉食や喫煙、飲酒や塩分の取りすぎなどが罹患率増加の原因となっています。

高麗人参は漢方によるところの「補気薬」の位置づけにあります。
これは「気」の量を増加させる働きをします。
「気」と言うのは生体エネルギーのことでこの量が足りなくなると疲れがでやすくなったり抵抗力が弱まります。
高麗人参には生体エネルギーを強めて人間が本来持っている自然治癒の能力を向上させる働きがあります。
高麗人参の代表的な成分であるジンセサノイドはタンパク質の合成を促進することで新陳代謝を良化させたり免疫力を向上させる効果があります。
またこのジンセサノイドの中には癌細胞が増殖したり転移することを抑制する働きを持つものがあることが報告されているのです。

また、高麗人参は悪性腫瘍による貧血や食欲不振、倦怠感などを改善し、放射線治療や抗がん剤投与などによる肝障害や免疫機能低下などを抑制して回復を促進してくれます。
また癌治療後の再発予防にもその効果が期待されています。
慢性の炎症性疾患のために体力が落ちている場合でも炎症を抑えるような生薬とともに服用することによって治癒力を高めることができます。
このように高麗人参だけを服用するのではなくそれぞれの生薬の働きとうまく組み合せることによって相乗効果を引き出すことができるようになるのです。

高麗人参による効果は、免疫力や新陳代謝に障害が起きている場合であることを知っておく必要があります。
つまり高麗人参には血管拡張作用や免疫増強作用があるため、炎症性疾患や熱がある状態では病気を悪化させる可能性もあることを忘れてはなりません。

癌の漢方薬治療に対しては西洋医学の知識と生薬の知識を持っておくことが必要です。
このことを念頭に、癌治療や予防を目的として使用する場合には専門家の指導の下で服用するようにしましょう。